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2009年4月

おくりびと / 納棺夫日記

「おくりびと」
2008年/日本 (監)滝田洋二郎
(演)本木雅弘 広末涼子 山崎努 吉行和子 余貴美子 笹野高史  杉本哲太 峰岸徹
☆☆☆★★★

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今年のアカデミー外国語作品賞を受賞した「おくりびと」を、ようやく劇場に見に行ってきました。銀座の東劇で有難いことに「つみきのいえ」と2本立てで公開中でした。

見るまでは、この作品がアカデミー賞を受賞したのは、多分日本式の葬儀の在り方が、西洋人から見るとエキゾチックで精神性が深く見えるからだろうな・・と思っていたのですが、そうではない事がわかりました。

人間なら共通して持つひとつの感情。亡くなった近親者への愛情の気持ちと、その死が新しい旅立ちであると信じる(信じずにはいられない)気持ちが、国や人種を超えて人の心を打ったのだろうと思いました。愛する者を亡くし、別れを経験した事のある人なら、ほとんどの人の心に沁み入る作品だろうと思う。こうして記事にしていても涙が出そうになります。映画見ている最中は、鼻水かみまくりでした。(笑)

実のところ、本木雅弘が感銘をうけたとの事で、この映画のもととなった「納棺夫日記」を先に読んでしまっていた事もあり、もう少し精神的に奥行きのある作品に出来なかったものか・・という気持ちもありました。映画作品としては、脚本の通俗性もあって、アカデミー賞をとるほどの出来の作品ではないな・・というのが正直な感想ではあります。それこそ、授賞式に出ていたスタッフもキャストもびっくり仰天だったろうな~。

とにもかくにも、この作品の成功の要因は、死への慈しみの気持ちに溢れた作品だという事と、納棺師の所作の儀式の様な美しさ故だろうと思いました。

「納棺夫日記」
青木新門 著 文春文庫 ISBN 9784167323028 ¥467(本体価格)
☆☆☆★★★

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この作品は1993年初出。ながらくひっそりと売れていた作品だったろうと思うのですが、「おくりびと」の大成功で、ベストセラーなみに売れています。

著者の青木新門氏は、もともと作家志望だったが、生活に困窮し、子供のミルク代をかせぐために冠婚葬祭会社に就職し、納棺の仕事をてがける事になる。親戚からは絶縁され、妻からは「汚らわしい」とののしられるが、彼自身は人の死と向き合ううちに、様々な想いを抱く様になり、それをまとめたものが本書です。

作家志望だけあって、文章は文学的で美しく、静謐な感じすらします。彼は死をみつめる中で、生とは何なのかを感じ取っていく。小さな子供を残して亡くなった母親の納棺の時にみかけた一匹のトンボの命の美しさに涙し、孤独死していた老人の体に群がっていたうじ虫の生きようとする姿の中に光を見る。

この著作は著者のそういった感性の中からうまれた作品で、死、生、に真摯にむきあった内容です。映画とあわせて是非一読していただきたい作品でした。

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夏の嵐

Senso
1954年/イタリア (監)ルキノ・ヴィスコンティ
(演)アリダ・ヴァリ ファーリー・グレンジャー マッシモ・ジロッティ ハイツ・モーグ
☆☆☆★★★

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1866年。北イタリアはオーストリア帝国の占領下にあったが、イタリア人の抵抗運動も日増しに強くなってきていた。物語はヴェネツィアの劇場で上演されているヴェルディの「イル・トロヴァトーレ」の舞台からはじまる。オーストリア将校と決闘騒ぎを起こしてしまった従弟を助けるために、アリダ・ヴァリ演じる伯爵夫人は、そのオーストリア将校に近づくが、若く美貌のその将校に激しい恋をしてしまう。狂った様に彼を愛するアリダ・ヴァリは、従弟から預かっていた抵抗運動資金までも彼に与えてしまう。戦争のさなか、ヴェロナにいる彼の元に馬車を急がせた彼女が見たものは・・・。

この作品は、もはや若い時代を終えた女性にとっては、物凄く残酷な作品だ。とっても痛い作品なのです。おそらく政略結婚だったであろう、かなり年上の夫に尊敬を愛情も持てず欲求不満だったアリダ・ヴァリの愛情は、抵抗運動に命をかけている従弟に向かっていたが、年若い美貌のオーストリア将校に言いよられた彼女は、奈落の底に落ちていくかの様に、彼への愛へ溺れていく。その鬼気迫る演技は、見事の一言でした。この作品の中核はアリダ・ヴァリの演技によって支えられていると言っても過言ではないと思いました。

オーストリア将校を演じるファーリー・グレンジャーは、ヒッチコック映画などに出ていたアメリカの俳優ですが、ハンサムではあるものの、彼女の演技を受けるには物足りない感じでした。(なんだか、ヘイデン・クリステンセンの演技に似てた。)年下で自分のルックスに自信のある彼は、女たらしのプロであり、手練手管を駆使して彼女を落とし、利用していく。普通の神経ならこんな男にのめりこむのは「大バカ女」だけど、でも実際、自分がその境遇に身を置かれてみたらどうだろう?その若い男をつなぎとめるために、醜態を演じることがないとは言いきれるだろうか?

Senso

甘えるF・グレンジャー

ラスト、若く美しい娼婦と同席させられ、比べられ蔑まされる彼女の姿は、私自身の痛みとなってつきささってくる。やっぱり、ヴィスコンティって凄い作家だと思わざるを得ませんでした。ちゃちい作品だったら、この女性への残酷さに怒りを覚えるばかりだったろう。

女性として最もみじめな境遇におかれたアリダ・ヴァリは見事なまでに、華麗なるヒロインでした。これこそがヴィスコンティ作品なのです。

もう一つ私が感心したのは、戦闘シーンの描写。19世紀中ごろの戦闘シーンの様子が非常に興味深く、こういうシーンに決して手を抜かないのは、やはり巨匠作家の絶対条件だな・・思いました。

尚、現代の"Senso"とは「官能」という意味です。

おまけ
若かりしアリダ・ヴァリ。美しいな~~。

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臨場

「臨場」
横山秀夫 著 光文社文庫 ISBN 9784334743031 ¥590(本体価格)
☆☆☆★★★

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臨場 ― 警察組織では、事件現場に臨み、初動捜査に当たることをいう。捜査一課調査官・倉石義男は死者からのメッセージを的確に掴み取る。誰もが自殺や病死と疑わない案件を殺人と見破り、また、殺人の見立てを「事件性なし」と覆してきた。人呼んで『終身検死官』―。組織に与せず、己の道を貫く男の生き様を、ストイックに描いた傑作警察小説集。全八編。 (文庫解説より)

大好きな内野聖陽主演のドラマ「臨場」が4月からはじまりました。
http://www.tv-asahi.co.jp/rinjo/

早速第1回目を見てみたのですが、何とはなしにドラマ的に浅くってがっかり。実は少し前に放送されていた「ゴンゾウ」もいま一つだったので途中で見るのをやめてしまいました。
今回はキャラクターそのものも、「ゴンゾウ」とそっくりの、アウトロー者。「また~?」っていう感じ。もうちょっとストレートで固い、内野さんの演技を見たいんだけどな~~~。gawk

で、ドラマは乗り気ではないのですが、検死官のドラマというのが興味深く、原作は横山秀夫だったので面白そう・・と思い、早速文庫を購入してみました。

やっぱり原作の方が格段に面白かったです。主人公の倉石は、原作では50歳すぎの痩身でやくざっぽい風貌の男という設定。署内のアウトローで、刑事達や上司にも、ズバズバと意見をぶつける男気の塊の様な人間。検死の見たては神業的で、仕事の鬼。

全8話、ミステリーとしての設定もまずまずで、人間ドラマもそれほど安手ではない。なにより面白いのであっという間に読了しました。実に手堅い感じの短編集です。他の作品も読んでいきたいけど、この手のはキリがないんですよね~。横山作品は、いずれにしても「半落ち」「クライマーズ・ハイ」「動機」の3点だけは必ず読もうと思っています。

やっぱり警察ものや、ミステリーはドラマより小説ですね。book

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X55 / Ki-Max

今通っているVilaxというスポーツ・クラブでは、アルゼンチンのラディカル社で考案されたフィットネスプログラムが多数導入されています。以前、その中からオキシジェノを紹介させていただきましたが、新たに2つ体験してきました~。

こ2つは、おばさんにはきつい!!です。(笑)

「X55(エクストリーム55)」
http://www.prime-e.jp/radical/x55.html

究極の55分間で抜群のシェイプアップ効果。(キャッチフレーズ)

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熱い!(笑)

私が参加したのは45分コースでしたが、ステップ台と自重負荷で、主に下半身中心にトレーニングしていくクラスです。私もフィットネス歴は20年近くになるので、あれこれきついクラスにも出てきましたが、これは本当にきつい!です。

音楽にあわせてひたすら、ニーアップや、スクワット、ランジなんかを繰り返していくのですが、特に軸足になっている方への強度が高くて、ほとんどギブアップ状態。休み休みついていくのが精いっぱいでした。帰宅した日の夜から、足が筋肉痛に・・。

週1回程度必ず出れれば、かなりの下半身強化が期待できそう。私には出ずらい時間なのが残念です。

「Ki-Max」
http://www.prime-e.jp/radical/km.html

サンドバックへの打撃を加えたコンタクト版ファイドウ (キャッチ・フレーズ)

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かなり以前に、ファイドゥというラディカルのクラスを記事にした事がありますが、このKi-Maxは、倒立式サンドバックに直接パンチやキックを打ち込むクラスです。

一つのサンドバッグに1~3人程度で、順番に打ち込んでいきます。普通のボクシング系
クラスと違って、直接パンチやキックが出来るのでストレス解消にもなると思いますが、手や足にかかる負担も大きくて、けっこう注意が必要。翌日から二の腕と手首が痛くなりました。

誰かを殴れば自分も痛いのだと言う事がよくわかります。(笑) 今までシャドーでしかやっていなかった、パンチやキックの打ち方を確認する事も出来ます。

やっぱり対象物があると全然違いますよ~。

加齢に加えて、忙しくてジムに行く時間も少なくなってきているので、体力の衰えはここ数年実感する日々です。まあ、治験の最中ということもあるので、あまり無理しない様にとも思っているものの、ガクンと体力を落とさない様に気をつけていきたいと思う今日この頃です。

なまけたらあかん。

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レッドクリフ Part I Part II

Red Cliff 赤壁

2008年/2009年/アメリカ・中国・日本・台湾・韓国
(監)ジョン・ウー (演)トニー・レオン 金城武 チャン・フォンイー チャン・チェン ヴィッキー・チャオ 中村獅童 リン・チーリン
☆☆☆★★★

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私は、ジョン・ウー監督の作品に、今まであまり感心した事がなく、「三国志」の知識も全くなかった事もあり、そのうちDVDで・・位の関心しかなかったのですが、先日の「レッドクリフ Part I」のテレビ放映を見て、続きを早く見たくってPart IIは劇場へ足を運んでまいりました。

簡単にあらすじを。

三国時代の中国。漢の丞相の曹操は、北部を平定した後、南部も制圧するために兵を進める。その目的は、天下統一に邪魔な劉備・孫権の抹殺だけでなく、今は周瑜の妻となった天下一の美人小喬の奪取にもあった。荊州にいた劉備軍は南下して軍を立て直そうとするが、途中の当陽県長坂にて追いつかれ、敗走する。

夏口へ逃げた劉備は、部下の諸葛亮(孔明)の提案に従い、孔明を孫権のもとへ派遣する。孔明は孫権の総司令である周瑜と意気投合し、2つの勢力は共に曹操と戦う同盟を結ぶ。孫権は数万の軍勢を派遣し、劉備軍とともに長江の赤壁付近で曹操軍と相対し、両者互いに決戦のために水軍と陸軍を動かすのだった。

壮大な歴史絵巻です!「三国志」に夢中になる人の気持ちがやっとわかりました。思い起こせば、父親も吉川英治の「三国志」に夢中になっていたな~。

Part I をテレビで見た時は、面白かったものの、日本語吹き替えが物足りなく、Part IIを劇場で見て、中国語版に興奮してしまいました。(笑) そもそもストーリーの面白さもさることながら、劇場まで行く気になったのは、諸葛孔明演じる金城武が良かったから!今までで一番ス・テ・キ(笑)特に彼のファンではなかったのですが、一気に好感度アップしました。

周瑜演じるトニー・レオンももちろん良かったのですが、この作品の大きな牽引力を果たしているのは、やはり曹操ですよね。演じているチャン・フォンイー(渡瀬恒彦似)は、中国ではかなりの実力俳優さんの様です。素晴らしい演技だったと思います。

「三国志」のコアなファンからの評判はあまり良くない様ですが、私はもとを知らないだけに十分楽しめました。これから横山光輝のマンガか(膨大だけど)、父親が大好きだった吉川英治版を読んでみようかな・・と思ってます。

さて、一つだけ文句をつけさせていただくとすると、やはり戦闘シーンの大袈裟さ加減でしょうか。ジョン・ウー作品は、いつもいつもこの手のシーンが大袈裟すぎるのです。ダイナマイトでも発明したのか!とつこっみたくなる大爆発。映画を盛り上げるために仕方ない部分も認めますが、やりすぎって感じも。もう一つ私が苦手なジョン・ウーの気取った映像表現は、この作品には内容的にマッチしていたのであまり気になりませんでした。

とにかくとても楽しんだ作品です。Part IはあらためてDVD借りてこようかな・・。

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びわゼリー 訂正

「びわゼリー」記事にたくさんのコメントをいただき有難うございました。

↓の記事内の値段表示に誤りがありましたので訂正させていただきます。「びわゼリー」は小さいサイズ(びわが2個入ってる)のものは¥120ですが、写真の大きいサイズのものは¥200でした。coldsweats01 お詫びとともに訂正させていただきます。

果物は本当に美味しいものです。大好きなフルーツはたくさんあるのですが、なかなか口に出来ない好物の一つが「びわ」

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何だか、昔は気軽に食べられた様な気がするんだけど、一般用にはほとんど販売されてなく、たまにみかける贈答用は高い!!さくらんぼは、アメリカン・チェリーで済ませても良い。メロンは別にスイカでも良い。

でも「びわ」は、代わりがないよ~、「びわ」食べたいよ~、などと思っていたら、ゼリーになった商品を「セブン・イレブン」で発見。

たらみ 果実の時間シリーズ 「びわゼリー」

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かなり大きめの容器の中に種を抜いたびわが4個くらい入っています。味も「びわ」そのもので美味しい!!値段もたったの200円です。期間限定なので、今のうちに楽しみたいと思ってます。

「びわ」好きの人は「セブン・イレブン」へ急げ!(笑)run

たらみ(長崎の会社の様です)のホームページ。あ、ゼロカロリー・ゼリーもここの商品なんだ。カロリーゼロですが、これもなかなか美味しかったですよ~。

http://www.tarami.co.jp/

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松本清張初文庫化作品集

松本清張は1909年生まれ。今年は生誕100年にあたるとの事で、あれこれフェアが組まれたり、フィーチャーされています。

私は20代の終わりの頃、かなり松本清張作品にはまっていた事があり、主だった作品はほとんど読んでしまったのですが、職場の清張コーナーにあった表題の文庫を見かけ、これなら全て未読だろうと思い購入してみました。全4巻、簡単にご紹介します。

松本清張初文庫化作品集
(双葉文庫)
☆☆☆★★~☆☆☆★★★

1 「失踪」
ISBN 4575510432 \600(本体価格)
2 「断崖」
ISBN 4575510491 \600(本体価格)

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この2冊は、推理小説、ミステリー系の作品を収録。地味目の作品ばかりでしたが、やはり面白い!です。

ある病院から院長と婦長が失踪してしまう。数日後、その病院の薬剤師と事務長があいついで謎の自殺を遂げるが・・。(「失踪」収録「草」より)

亡くなった知人が所有していた2冊の同じ本を偶然手に入れた「私」は、知人が書いた書き込みが、この2冊をあわせて完成する事に気が付く。なぜ、知人は同じ本を2冊所有し、書き込みをわけていたのか・・。(「失踪」収録「二冊の同じ本」より)

北海道の景勝地にある宿泊所。そこで働く老人は自殺志願の美しく若い女性を救う。そしてそれはまじめで温厚だった老人に悲劇をまきおこす・・。(「断崖」収録「断崖」より)

政界の汚職事件の犠牲となり自殺した公団の課長補佐の死の真相を追及する新聞記者と記者志望の若い女性の素人探偵2人は、やがて課長補佐が殺された事をつきとめるが・・。(「断崖」収録「濁った陽」より)

清張作品が面白いのは、まずなによりも昭和という時代背景にあるのは間違いがないと感じました。人は決して無差別殺人をしないので、殺人の背景には様々なドラマがある。戦争も背景に控えているし、登場する女性は現代よりはるかになまめかしく、かよわく、力強く、したたかだ。それに、作品の内容もバラエティに富んでいて、何も殺人事件だけがミステリーになるワケではない事をよく証明している。

人間の内部の弱い部分の、ちょっとした揺らぎの描写だけでも素晴らしいミステリーになるのだと言うことがわかります。

3 「途上」
ISBN 4575510580 \552 (本体価格)
4 「月光」
ISBN 4575510661 \495 (本体価格)

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この2冊は純文学系列と歴史の謎を追ったドキュメンタリーで構成。清張の多才ぶりがうかがえます。

人生に絶望した男が、行き場のない老人や病人を収容した施設で、生きる意義を再発見する・・。(「途上」収録「途上」より)

50歳にして「測地測量」で名をなした、大商人の養子で事業にも成功していた伊能忠敬の実像に迫る。彼の測量への情熱のもとは何であったのか・・。(「途上」収録「老十九年の推歩」より)

伊藤博文による日韓併合を、韓国まで同行させた愛人(20代の芸者)の視点で綴った異色作。(「月光」収録「統監」より)

自殺を決意したある男(サラリーマン)が告白する、無意味な人生への絶望と、現代社会の冷酷さ・・。松本清張は、サラリーマン時代に同じ心境になった事があるらく、私小説の様なものだと述べている作品。(「月光」収録「背広服の変死者」より)

とにかく多彩、多筆なので、おそらく未読の作品はまだいっぱいあると思う。また、ひさしぶりに松本清張作品をおっかけてみたくなりました。やっぱりミステリーだな~!

最後に清張自身の言葉。

「推理小説は、もっと生活を書きこまねばならない。犯罪はどうして行われたかを書くと共に、何故行われたかも同じ比重で書くべきである。犯人の動機は、われわれの奥に持っている心理から索き出して貰いたい。トリックの意外性はまことに結構であるが、生活に密着したものにしたい。

~中略 人間像が見事に描き切れれば、も早、いわゆる純文学も推理小説も区別は無いであろう。
~後略」

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ルーヴル美術館展

今、公開中の二つのルーヴル美術館展に行ってきました。

まずは上野の国立西洋美術館へ。

「ルーヴル美術館展 17世紀ヨーロッパ絵画」
2009年2月28日 ~ 6月14日
http://www.ntv.co.jp/louvre/

オランダ、スペイン、フランスなどの美術史を通じて「黄金の世紀」と呼ばれる17世紀ヨーロッパは、レンブラント、ベラスケス、フェルメール、ルーベンス、プッサン、ラ・トゥールといった、綺羅星のごとき画家を数多く輩出しました。本展ではこれらの画家の作品をはじめ、ルーヴル美術館が誇る17世紀絵画の傑作の数々を展示いたします。(展覧会概要より)

展示は国別、作家別等の従来の組み立てではなく、三つのテーマに分かれて展示されています。テーマは「黄金の世紀とその陰」「大航海と科学革命」「聖人の世紀における古代文明の遺産」

展示会場には、17世紀のヨーロッパがどういった時代だったのかを理解するために、西洋の歴史、日本の歴史が一目瞭然でわかる年表などもあり、なかなか興味深い内容でした。ただ、こちらの知識不足もあって、消化しきれず・・。自分の感性だけで、絵を眺める程度で終わってしまいました。出品作71点のうち、60点が日本初公開の上、30点は初めてルーヴルを出た作品らしく、かなり通向けの展覧会だという感じがしました。

フェルメールの「レースを編む女」
はじめてフェルメールのオリジナルを見ました!ちょっと感動。

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ラ・トゥールの「大工ヨセフ」
この絵は本当に素晴らしいですね。

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続いては六本木の国立新美術館へ。

「ルーヴル美術館展 美の宮殿の子どもたち」
2009年3月25日 ~ 6月1日
http://www.asahi.com/louvre09/

こちらは「子供」をテーマに、西洋美術のみならず。ローマ、ギリシャ、エジプト、メソポタミアといった古代文明の作品も展示したバラエティ豊かな内容。出品数も200点あまりと多く、けっこう時間を要しましたが、出品作品が多岐にわたっているので、かなり楽しめました。

展示は7つの章で構成されています。

第1章 「誕生と幼い日々」
第2章 「子どもの日常生活」

古代オリエントの子供のおもちゃ

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第3章 「死をめぐって」

ルーヴル所蔵唯一の子供のミイラ

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第4章 「子どもの肖像と家族の生活」
第5章 「古代の宗教と神話のなかの子ども」
第6章 「キリスト教美術のなかの子ども」

アンドレア・デッラ・ロッビアの工房
《幼子イエスを礼拝する聖母》
これ凄いきれいでしょう~?

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第7章 「空想の子ども」

どちらかと言えば、こちらの展覧会の方が、一般人向けだと思いました。古代オリエントの子供のおもちゃはとっても可愛かったし、私、実物のミイラを見るのは初めてだったので、ちょっと緊張しました。

久しぶりでアートを楽しんだ春でした。両方とも、誘ってくれた友人の無料パスで鑑賞。どうもありがとう~~。happy02

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ガンジー

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1982年/イギリス・インド (監)リチャード・アッテンボロー
(演)ベン・キングスレー キャンディス・バーゲン エドワード・フォックス  ジョン・ギールガッド マーチン・シーン イアン・リチャードソン トレバー・ハワード
☆☆☆☆

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映画の冒頭で語られるアインシュタインの言葉。
「ガンジーの様な人間が存在した事を、後世の人間達は決して信じることができないだろう」

インド独立運動の指導者マハトマ・ガンジーの波瀾に満ちた生涯の映画化。3時間8分の大作です。公開時劇場に見に行って以来、久し振りで再見しましたが、今回も感銘を受けました。

ガンジーは、18歳の時にイギリスへ渡り弁護士となる。商社の顧問弁護士として南アフリカへ派遣されるシーンから映画は始まります。イギリスでは特別待遇を受けていた彼は、南アフリカではじめてあからさまな人種差別を受ける。ここで彼はインド人に対する法的権利を擁護する活動をはじめ、条件付きながらもインド人の権利回復運動を成功させる。この時期に、非暴力運動思想が形作られていく。

南アフリカでの活動で有名になった彼は、インドへ戻り、イギリスからの独立を目指した活動に入る。インド各地を旅してまわるガンジー。彼が目にしたのは、イギリス人の地主により苦しい生活を強いられる貧しいインドの民衆の姿であった。

イギリスからの独立の必要性を確信した彼は、暴動の形をとるものではなく「非暴力、不服従」を提唱する。そして戦いのかたちを決してとる事なく、インドのイギリスからの独立を実現させる。

ガンジーの有名なハンストは、イギリスに向けたものではなく、インド国内で暴動がおきかけると彼がそれを中止させるために行った行動。

第二次世界大戦で、イギリスがもはやインドの様な大国を植民地として維持できなくなっていった背景もあるとは思うのですが、それでもガンジーのとった独立実現のための行動は、信じられない様な内容です。もちろん映画の中で描かれた様に美化された部分だけではなかっただろうとは思うものの、3億5千万人の(当時)インド国民をたった一人の小さな男が導き、大きな戦いを起こす事なく独立国家へと導いていった姿はほとんど奇跡の様です。

もちろんこの混沌とした世界は、それほど甘くはなく、独立まではイギリスと言う巨人に立ち向かうために協力しあっていたヒンズー教徒とイスラム教徒は、独立が決まった途端に分裂、諍いをはじめる。結局、イスラム教徒の国パキスタンとヒンズー教徒の国インドの二つに分裂してしまうのを、年老いたガンジーはとめる事が出来なかった。

イスラムとヒンズーの仲をとりもち、争わない様に最後の力をふりしぼってハンスト行動をしていた彼は、ハンストが終了し人前に姿をあらわした日に、狂信的なヒンドゥー原理主義の男によって暗殺される。78歳の生涯。

人間がさらなる進化をとげない限り、この世から戦争がなくなる事はないと私は思うし、非暴力主義が暴力に勝てる事もないと思う。それでも、彼が唱えた事、とった行動は、人類への一筋の希望の様なものだと思った。血を流したくないと信念を持って多くの人間が行動できるのならば、いつかは新しい人間社会を(何百年後か、何千年後かわからないけれど)築く事が出来るのかもしれない。

こういう作品を見る度に思うのは、もっともっと歴史の勉強が必要だな~という事です。この作品で言えば、さかのぼってインドが植民地化された時代までさかのぼって知りたいと思いました。

アカデミー作品賞、監督賞、主演男優賞他8部門受賞。とにかくベン・キングスレーの演技は見事の一言です。彼は父親がインド人の血をひいてるんですね。

イギリスの名優が脇をしっかり固めています。最初の方で、ダニエル・デイ・ルイスがチンピラ役で顔を見せますよ。アメリカからは、マーチン・シーンがニューヨーク・タイムスの記者、キャンディス・バーゲンが「ライフ」誌の著名な女性写真家マーガレット・バーク・ホワイトの役で出ています。

この写真は本当のガンジーです。

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スズメが絶滅の危機!!?

ふとしたはずみで見つけた小さな記事。
http://news.cocolog-nifty.com/cs/catalog/cocolog-news_article/catalog_blog-200904081846_1.htm?s=app

何と50年前に比べると、スズメの生息数は90%も減少しているそうなのです。chick

1年を通じて、いつでもどこでもたくさんいたスズメも、確かに最近はあまりみかけなくなってきた気も。それでもまだ毎日の様に見かけはしますが、とても心配です。

スズメは、人の居住している地域に巣をつくったり、たむろったりする習性があるらしく、巣作りが出来る様な家屋が減ってしまった事が大きな要因らしいのですが・・。

このままではメダカ同様に、絶滅危惧種になってしまいそう・・。とっても身近な可愛い野鳥なだけに、本当に心配です。

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ショーシャンクの空に

The Shawshank Redemption
1994年/アメリカ (監)フランク・ダラボン
(演)ティム・ロビンス モーガン・フリーマン ウィリアム・サドラー  ボブ・ガントン ジェームズ・ホイットモア
☆☆☆★★★

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ショーシャンク刑務所に、若き銀行の副頭取だったティム・ロビンスが、妻と愛人を殺害した罪で入所してきた。刑務所内の古株で“調達係”のモーガン・フリーマンは彼に他の受刑者達とは違う何かを感じる。やがて他の受刑者達も、ティム・ロビンスの前向きな態度や行動、知性に魅かれ、一目置かれる存在になっていくが・・・。

以前から、友人たちに勧められていたにも関わらず、なぜか見る機会もないまま、今回のBS放映でやっと見る事が出来ましたが、期待に違わない秀作でした。

原作はスティーブン・キングの「刑務所のリタ・ヘイワース」。"Different Season"(邦題・恐怖の四季)の中の1編です。けっこう地味な作品だったので、何となく映画も敬遠していたのですが、映画向きにかなりストーリーをふくらませて、感動的な作品に仕上げてあったのには正直驚きました。

この映画は、長い、長い時間の物語です。ティムが入所してきたのは1940年代。その時に彼の独房に貼られていたリタ・ヘイワースのポスターは、時とともにマリリン・モンロー、ラクウェル・ウェルチへと変わっていく。終身刑の囚人の仮出所が認められるのは、老年に達してから。塀の外の生活にもはや絶えられず、自殺をしてしまう者もいる。

やがて、刑務所の所長による汚職がはびこり、銀行員だったティムはその片棒(マネー・ロンダリング)をかつがらせる中、あっと驚く事件が起こるのですが、それは見てのお楽しみです。もっと書きたい事あるのですが、ネタばれになってしまうのでがまん、がまん。(笑)

私、そういえばティム・ロビンスの映画を見るのとっても久しぶりでした。彼、今はどうしているのかしら?

原作の"Different Season"は、邦訳では「スタンド・バイ・ミー」と「ゴールデン・ボーイ」の2冊にわかれて新潮文庫から出ています。4編中、3編が映画になっているので、ペーパーバックも表紙違いで何種類かあるんですよ。これは「ショーシャンクバージョン」

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ちなみに、「ショーシャンク」は春、「ゴールデン・ボーイ」は夏、「スタンド・バイ・ミー」は秋、
「マンハッタンの奇譚クラブ」(これのみ未映画化)は冬です。

おまけ 
これがリタ・ヘイワースです。40年代のセックスシンボル。美しい~。

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ラブソングができるまで

Music & Lyrics
2007年/アメリカ (監)マーク・ローレンス
(演)ヒュー・グラント ドリュー・バリモア クリステン・ジョンストン ブラッド・ギャレット キャンベル・スコット ヘイリー・ベネット
☆☆☆★★

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80年代に絶大な人気を誇ったグループ"PoP"の元ボーカル、ヒュー・グラントは、今では往年のギャル相手に遊園地でのイベントをにぎわせる程度の仕事しかない。そんな中、若者に絶大な人気のカリスマ歌姫コーラから曲の執筆を頼まれる。気の合わない作詞家とともに、曲作りに悪戦苦闘していた彼のもとを訪れた鉢植えの水やり係のドリュー・バリモアとひょんな事からともに曲をつくる事になるが・・・。

この作品は、以前劇場の予告編を見てから、面白そうだから絶対に見たい!と思ったまま、今回DVDでやっと見る事が出来ました。とにかく、人気バンドだった"PoP"のMTVの映像が、笑えるんですよ!映画のホームページでちょこっと見れるので是非見てみて下さい。80年代のミュージックシーンを知っている人なら必ず笑えます。

http://wwws.warnerbros.co.jp/musicandlyrics/

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ストーリーはラブコメの王道です。ドリュー・バリモアも素直に可愛くて良かったですが、相手役がH・グラントなので、はずれるワケはないんですよね~。本当に、ヒュー・グラントはダメなセクシー男をやらせると右に出る者がいないです。

カリスマ歌姫コーラの天然系の変人ぶりも可愛くて良かった。気持ちが暖かくなるラブストーリーです。

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カリスマ歌姫コーラを演じたH・ベネット。可愛いでしょ?

それと音楽もグッドです。"PoP”の大ヒットナンバー"POP! GOES MY HEART"も良い曲だし、2人でコーラのために作った"WAY BACK INTO LOVE"もステキな曲ですよ。サウンドトラックの内容を見ると、すべて役者さん達本人が歌ってるので、この映画のサントラはヒュー・グラントのアルバムみたいになってます。(笑)コーラの歌う歌も面白かったし、なんだかサントラが欲しくなってきちゃいました。

しかし、ヒュー・グラントと言えば、「モーリス」でブレイクしてから「美しき英国の貴公子達」みたいな写真集まで出てた人なのに、本当に変われば変わるものですね~。英国貴公子系で今でも主役級なのってダニエル・デイ・ルイスと彼位ですもんね。コメディ・センスのある役者さんは強い!です。

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「モーリス」の頃のH・グラント。耽美派だったのにね~。(笑)

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3月に見た映画

いよいよ桜も満開に。今日、明日あたりはお花見客が凄いでしょうね。今日は、月1回の通院の日。通っている帝京大学病院の前に流れる石神井川沿いの桜も満開でした。

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最近、携帯の写真の調子が悪くてきれいに撮れない!weep

今回は5本ご紹介。ひとつの記事にしたかった作品が多く、時間がとれなくて残念です。

「プレステージ」
The Prestige
2006年/アメリカ (監)クリストファー・ノーラン
(演)ヒュー・ジャックマン クリスチャン・ベイル マイケル・ケイン
スカーレット・ヨハンソン デビッド・ボウイ
☆☆☆★★

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19世紀のロンドン。イリュージョンの天才マジシャン、ヒュー・ジャックマンとクリスチャン・ベールはライバルとしてしのぎを削りあっていた。ある舞台でのマジック中、H・ジャックマンが水槽からの脱出に失敗し、C・ベールの目の前で溺死したため、彼は殺人罪で逮捕され、死刑を宣告される。これはおおがかりなイリュージョンのトリックではないかと疑いはじめたC・ベールだったが・・。

原作はクリストファー・プリーストの「奇術士」。マジシャンの世界を描いた作品というのもそう多くないし、時代が19世紀という事もあって興味のつきない内容ではあるのですが、いまひとつしっくりこない作品でした。これはひとえにラストの落ちにある!ミステリー好きなら絶対に納得いかない内容ですよ。クリストファー・ノーラン監督と、C・ベール、マイケル・ケインの3人は次の「バットマン・ビギンズ」へトリオを続けますね!D・ボウイも出てます。

「隠し砦の三悪人 The Last Princess」
2008年/日本 (監)樋口真嗣
(演)松本潤 長沢まさみ 阿部寛 椎名桔平 宮川大輔 古田新太 國村準 高嶋政宏
☆☆☆

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悪口書くしかない作品だとわかっていながら、どうしても気になってレンタルしてきてしまいました・・。まあ、はっきり言って最低レベルの作品ですが、黒澤のオリジナルと比べてしまうから、批難轟々になってしまうのであって、単純な娯楽作だと思えばそれほどめくじらをたてる必要もないのかもしれない。それでも、ところどころビミョーに出てくるオリジナルのエッセンスが耐えられない感じ。樋口監督は、大作を上手く処理するけれど、人間ドラマを描く事の出来ない監督なので、特技監督か、アニメの世界に戻ってもらいたい。「平成ガメラ」シリーズの特技監督の頃は尊敬していたのに・・。(涙)

で、あちこちで悪口書かれまくりなので、私は良かったと思ったところをあげてみます。まず、松本潤は思ったほど悪くなかった事。ただし、長沢まさみは最低だった。矛盾キャラ。オリジナルでは藤田進が演じた田所兵衛は完全な悪役になって椎名桔平がダースベイダーみたいに演じてますが、これはこれで悪くはない。バカらしいけどね。CGはおおげさだけど、セット撮影の部分は悪くない。これだけの撮影をこなすのはやはり大変な事だ。

と、多少でも好意的に見ようと努めていた私の心がパリッ・・と音をたてて壊れたのは、ラストで流れる「裏切り御免」というタイトルのワケのわからないラップ。どれほどセンスがなければ、こういうテーマ曲を挿入できるのだろう。エンドロールにオリジナル脚本の4人の名前がクレジットされますが、侮辱するために入れたとしか思えなかったよ。ま、わかってるのに見た私がいけないのです。

「キサラギ」
2007年/日本 (監)佐藤祐一
(演)小栗旬 ユースケ・サンタマリア 小出恵介 塚地武雄 香川照之 宍戸錠
☆☆☆★★

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2月4日、火事で焼死した売れないアイドル・如月ミキの一周忌。家元の呼びかけによって、都内某所の一つの部屋にファンサイトで知り合ったオダ・ユージ、スネーク、安男、いちご娘の5人の男が集まった。愛するミキちゃんの追悼会が、「彼女は自殺じゃない、殺されたんだ」という一言から事態は急変してしまう。もしかして犯人がこの中に・・・。次々と明かされる意外な事実。果たして如月ミキの死の真相は!?

密室劇です。コメディ・タッチの「12人の怒れる男」みたいな感じ。脚本は上手いと思いました。公開時に評判が良かったので期待して見たのですが、私にはちょっと内容軽すぎかな~感がありました。それと、くどく感じる部分もあって、もう少しすっきり出来たのでは・・という気もしました。でも、最近の日本映画には珍しい、会話中心の作品なのが好印象だし、映像的に面白い部分もある。主演の5人は、香川照之(いちご娘)だけがすごくうまくて、あとはまあまあ。小栗旬(家元)の演技がまだまだだけど、彼がいないとこの作品はまったく華がなくなってしまうので重要キャストです。ラストのミキちゃんのビデオ、良かった。(笑)

「マッチ・ポイント」
Match Point
2005年/イギリス・アメリカ・ルクセンブルグ
(監)ウッディ・アレン (演)ジョナサン・リース・マイヤーズ スカーレット・ヨハンソン エミリー・モーティマー マシュー・グード ブライアン・コックス ユエン・ブレムナー
☆☆☆★★★

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ロンドン。野心家の元プロテニス・プレイヤーのJ・R・マイヤーズは大金持ちの息子マシュー・グードと親しくなり、彼の妹と付き合うようになるが、彼らの別荘で出会ったマシューの婚約者スカーレット・ヨハンソンに強く惹かれてしまい、関係を持ってしまう。しかし憧れの上流階級への道を捨てきれない彼は、金持ちの妹との結婚を決めるが、スカーレットへの欲望は抑えられない。欲望と野望の狭間で、ついにとんでもない結末へと辿り着く・・。

久しぶりのW・アレン作品。かなり上出来の作品です。流石です。ストーリーの運びにも、
映像的にも、まったく乱れはありません。普通の監督じゃここまでの作品には出来ません。しかし、ラストが・・。「え!?」って感じ。人生の運について描きたかったのだろうけれど、何だか納得できない!この終わり方じゃないとダメだったの?ただのミステリーにはしたくなかったのだろうけれど。

そもそもこのテーマはW・アレン向きだろうかという気持ちもする作品でした。「プレステージ」でもでしたが、S・ヨハンソンはとても魅力的です。ジョナサン・リース・マイヤーズのハンサムぶりには惚れぼれしました。演技も上手いです。

「ナイト・ミュージアム」
Night At The Museum
2006年/アメリカ (監)ショーン・レヴィ
(演)ベン・スティーラー カーラ・グギーノ ディック・ヴァン・ダイク ロビン・ウィリアムス ミッキー・ルーニー オーウェン・ウィルソン
☆☆☆★

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以前「妖怪大戦争」の記事の時にも書きましたが、またぞろこの作品をお子様向け退屈映画と批難しているレビュワーの多いのには驚かされました。だって、これも見事に子供向きの作品だもん。しかも子供が喜ぶ様に楽しくつくってあるよ、これ。私は、じゅうぶん楽しめました。

定職につけず、離婚した妻のもとにいる息子と過ごす時間をはく奪されそうになった、B・スティーラーは職安で博物館の夜警の仕事を紹介される。しかし、その博物館では、夜な夜な展示物達が動きまわっていた!恐竜の骨格標本は犬の様にはしゃぎまわり、イースター島の像はガムをねだる。サルの剥製にいたずらされたり、古代ローマや、西部開拓のジオラマの小さな人間達に攻撃をうけるB・スティーラー等々・・。けっこう楽しい。(笑) 私は、懐かしいD・ヴァン・ダイクが出てたのが嬉しくなりました。ちょとで良いので歌ったり、踊ったりしてほしかったな~。まだまだ元気そうでしたよ。

今年の夏には続編が公開になる様です。お子さんと夏休みに見に行くにはうってつけの作品ですよ。

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