死神の精度
「Sweat Rain 死神の精度」
2008年/日本 (監)筧昌也
(演)金城武 小西真奈美 富司純子 石田卓也
☆☆☆★★
人気ミステリー作家・伊坂幸太郎のベストセラーを金城武主演で映画化したハートフル・ファンタジー。 不慮の死が予定されている人間のもとに現われ、行動を共にして7日後に、“実行=死”か“見送り=生かす”かを決める死神。(金城)その一人、千葉は“ミュージック”をこよなく愛する一風変わった死神。そんな千葉の今回のターゲットは電器メーカーに勤める苦情処理係のOL、藤木一恵。(小西真奈美)愛する人がいつも早死にしてしまう薄幸の彼女だったが、それでも懸命に生きていた。とはいえ、いつも“実行”の判定ばかりをしている千葉にとっては、今回もそれは既定の事実のはずだったが…。
「レッドクリフ」「ウォーロード」以来、かなりお気に入りになっている金城武の日本語の演技が見たくって借りてきたのですが、これは思いのほか良かったです!実は作品的にはそれほど期待してなかったので、得した気分になりました。(笑)
お話は上述のエピソードを含めて3話構成のオムニバスになっています。最初のお話は80年代。「ミュージック」大好きな死神の登場です。真っ黒い犬を連れていて、テレパシーみたいな感じで会話をします。最初はCGの扱いも含めて、このあたりの処理が垢抜けないな~なんて思ったのですが、オムニバス形式のおかげか慣れてきます。2話目は、40代のヤクザのお話。(現在)最後は70代の女性美容師。(2030年位?の未来)
チンピラ風死神。イケてます。(笑)
ターゲットとなっている人間としばらく時間を共有する中で、「実行」か「見送り」かを決めるのが死神の役割。彼は人間の死には興味がなく、仕事だから淡々とこなしていく。あいている時間はCDショップに入り浸ってひたすら音楽を聴いている。さぼってばかりいる、営業のサラリーマンみたいな感じなのがおかしい。

ミュージックに夢中の死神。このゆるさ、金城武だから許せます。(笑)
ストーリーもなかなか面白かったのですが、この作品の成功は死神の役を金城武にキャスィングした事につきると思いました。彼は日本語ももちろん完璧だし、ルックスも日本人ばなれしているワケではないのですが、何とも言えない微妙な異邦人の雰囲気をかもしだしていて、それが人間社会に降りてきた死神っていう設定にぴったりなんですよ!しかもハンサム!文句なしって感じでした。(笑)
ところで小西真奈美はこの映画の役名の藤木一恵名義でCDを出しています。なぜ?それは映画を見てのお楽しみ。
さて、映画が面白かったので早速、伊坂幸太郎の原作も読んでみました。
「死神の精度」
伊坂幸太郎 著 文春文庫 ISBN: 9784167745011
☆☆☆★★
CDショップに入りびたり、苗字が町や市の名前であり、受け答えが微妙にずれていて、素手で他人に触ろうとしない―そんな人物が身近に現れたら、死神かもしれません。一週間の調査ののち、対象者の死に可否の判断をくだし、翌八日目に死は実行される。クールでどこか奇妙な死神・千葉が出会う六つの人生。 (文庫解説より)
こちらは6話構成。映画はこの中の1,2、6話がチョイスされています。面白くってあっという間に読了してしまいました。原作の死神は、金城武より、もっともっとクールです。上司に文句タラタラなのが笑えますが、人間の社会や感情を理解できないが故に、疑問として発せられる死神の言葉によって、当たり前の様に思っている人間社会の決まりごとのおかしさや、人間の本質なんかが浮き彫りにされるところがとても面白いと思いました。映画化されなかったエピソードもどれも面白いので、映画とあわせて是非一読なさってみてはいかがでしょうか?ちょっとアガサ・クリスティーっぽいお話やら、心を病んだ少年(殺人犯)とのロードムービーっぽい作品やら、楽しめると思います。う~ん、今話題の「重力ピエロ」も読んでみようかな~。
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