刑事
Un Maledetto Imbroglio
1959年/イタリア (監)ピエトロ・ジェルミ
(演)ピエトロ・ジェルミ クラウディア・カルディナーレ ニーノ・カステルヌオーヴォ フランコ・ファブリッツィ
☆☆☆☆
ピエトロ・ジェルミが監督・主演を務めたサスペンス。ローマ近郊で強盗事件と殺人事件があいついで起こる。事件を追う警部は徐々に真相に迫っていくが、捜査の過程でさまざまな人間模様が浮かび上がっていく。
イタリアにはフェリーニ、ヴィスコンティの2大巨匠を筆頭に、ヴィットリオ・デ・シーカ、ロベルト・ロッセリーニ、鬼才のパゾリーニや、新しいところではタヴィアーニ兄弟等、映画界に大きな影響を与えた天才監督が多い。
特にフェリーニとヴィスコンティは、私見ではルネッサンスを生んだイタリアという国ならではの天才で、作品の素晴らしさは言葉では語り尽くせない位なのですが、それでも私はイタリア映画で一番好きな作品は?と聞かれたらこの作品をあげる事にしている。それ位好きな作品なのです。
ジェルミの作品は、代表作の「鉄道員」を見てもわかる様に、決して芸術作品よりの作家ではない。イタリアン・ネオリアリズムの代表作家でもあるデ・シーカの作品に一番近いと思うけど、ドラマの主軸は市井の人間の等身大の感情表現にある。この辺が、私にとっては心情的にとってもしっくりくるんですよね~。私が、人生というものに対して抱いている感性に最も近い・・と言いなおしても良いかもしれません。
で、この「刑事」という作品ですが、ジェルミ監督演じる警視の姿が等身大でとっても良いんですよね。なおかつ、しぶい!かっこ良い!ちょっとハードボイルドっぽい感じもあってたまらんのです。(笑) 仕事が忙しくて恋人とも会えず、うらぶれた自分の部屋による遅く帰る姿なんかも、良いんですよ~。もう何度も見ているのですが、見る度に魅力を発見できる作品でもあって、今回はこの作品が必要以上に重たくなっていないのは、脇を固めているキャストにけっこう笑いを持たせてある事にあると気が付きました。脚本もジェルミ(共同)です。
最初はどうしても、ジェルミ警視の魅力と、カルディナーレの薄倖な美しさに目を奪われてしまうんですよね。これからも、きっと何回も何回もこの作品を見るだろうと思います。
最後に。私がこれほどまでにこの作品が好きなのは、魅力的なテーマ曲「死ぬほど愛して」にあるのも確かです。この曲が流れてくるだけで、酔わされてしまいます。有名な曲なのでご存知の方も多いかと思います。Youtubeでオープニングのシーンを発見したので、さわりだけでも是非。
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コメント
ごみつさん、こんばんは。
私の方からも3件分TB返しさせて頂きましたので、よろしくお願いします。
「刑事」は、ほんとうに何度見ても、というか見れば見るほど味の出てくる飽きない名画ですよね。
ピエトロ・ジェルミはこの作品を最後に、なぜだか監督業専念になってしまいますが、渋くてセクシーな大人の男の魅力をもっと見せてほしかったなあ。
亡くなったのは1974年、まだ60才だったそうで、これも惜しむに余りあります…。
ご紹介の動画は、ファルネーゼ広場の場面をピックアップしたもののようですね。冒頭の強盗が逃げるところの描写が巧すぎる!たぶん高級住宅街だと思うのですが、庶民もわいわいやっていて、カオスな感じがいかにもローマらしくていいですねえ。
投稿: なつ | 2009年7月 6日 (月) 21時14分
なつ さん
こちらこそTB有難うございました。
思い返せばなつさんが「イタリア映画ランキング」をなさってた時にもベスト映画に「刑事」、ベスト監督にP・ジェルミで投票させていただきましたよね。
この映画さえなければベストは「ベニスに死す」なんですが・・。(笑)
ホントに何度見ても心を打たれるし、見返すほどに新しい発見のある素晴らしい作品だと思います。
こういう作品に出会えるから、映画を見るのはやめられないんですよね~。
あ~、なんだかパニーニが食べたくなってきた。(笑)
投稿: ごみつ | 2009年7月 6日 (月) 23時28分