東京国際ブックフェア
7月9日(木)~7月12日(日)の4日間、東京ビッグサイトで開催されている第16回東京国際ブックフェアへ行ってきました。
http://www.bookfair.jp/
東京国際ブックフェアでは毎年、日本洋書協会の主催で「洋書バーゲン」を開いています。私も、以前の会社(洋書輸入業者)にいた時は、何度も係として参加していましたが、今の職場になってからは行くのがはじめてで、久し振りに足を運んできました。
と言うのも、基調講演の姜尚中氏の講演会が聞きたかったため。テーマは「悩む力で”現代の古典”を発掘する」で、不況にあえぐ出版業界への打開への提案を聞く事が出来ました。
今、古典がブームになっているのは、書店に勤めているものなら誰でも気が付く状況。近代の消費社会がいきつくところまできて、人間の本質や社会の本質の真実を捉え、長く生き残ってきている古典というものに、多くの人々が目を向ける様になってきているからだと思うと姜さんは説明されていました。本を愛してくれている人のお話は、本当にいつでも勇気づけられます。
実は私も記事にしようと思っていたのですが、洋書でもいわゆる古典の売上はこのところ好調で、欧米ではその手の古典は必ず廉価版が出版されているので、人々も手にとりやすい様です。一番人気はアダム・スミスの「国富論」。孫子の兵法"The Art Of War"は英語版も人気です。それからプラトンの著作は英語もドイツ語も好調です。マルサスの「人口論」はびっくりする位売れてますし、ヒュームの「人間本性論」、近代以降だとケインズの「雇用・利子および貨幣の一般理論」は常時平積みです。姜さんの専門の社会学者のウェーバーの著作はドイツ語では売れてます。(1冊1000円以下で買えます。)ドイツ語だと、あとはカント、ヘーゲル、マルクスは人気商品中の人気商品。(文学だとカフカが一番)
コアな部分では日本の読者って、まだまだかなりレベルが高いと思うのです。私自身、お客さんからどれだけ勉強させてもらってるかわかりません。要は、必要とされる内容の書籍をどれだけ仕入れられて、どうディスプレイさせ、アピールさせていけるかが、書店の課題なんだろうな~と思います。本当に毎日が勉強だし、それを怠った瞬間からつまらない店に転落してしまう。がんばっていきたいな・・とあらためて感じた今日の講演会でした。
さて、講演会の後は腹ごしらえをして、場内を見て回りました。ざっと見ただけで3時間以上かかってしまった。疲れた!(笑)
場内では各出版社が自社の本を20%引きで販売していて、ついうっかり筑摩のブースで文庫を2冊買ってしまった。でも考えてみたら社員販売で20%引きで買えるのだから、何もここで買う必要はなかったのでした。(汗)買ったのは「クルーグマン教授の経済入門」と
ドゥルーズの「ニーチェ」。ま、本と人とも出会いですね。![]()
洋書バーゲン会場は、毎年大盛況で、今日も人だかりが凄かった。でも、規模はだいぶ小さくなっちゃたな~と思いました。(洋販がいないからね) 私も洋書業界に多少は貢献しようと3冊ほど購入。
携帯の写真の調子悪くピンボケですが・・。(^_^;)
左はしは大好きな「ライ麦畑でつかまえて」"A Catcher In The Rye"のペーパーバック。読めんと思うが持ってるだけでうれしい。¥500でした。真中も大好きな「ガマくんとカエルくん」のCD付きパック。¥800也。右はしは"15-Minute German"CDパック。常日頃、ドイツ語まったくわからないのに担当しているのが苦しかったので多少は勉強しようかな・・と。(笑)¥840でした。
帰り、駅前でビール
を飲んで帰宅。けっこう疲れましたが、本好きには楽しい一日でした。
| 固定リンク
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 年末の足音(2009.10.21)
- 酒は大関、心意気(2009.09.29)
- 秋風邪は誰がひく?(2009.09.09)
- Always 三丁目のメトロン星人(2009.08.27)
- 終戦記念日に(2009.08.18)

コメント
なかなか大がかりなイベントですね。
姜さんの「悩む力」は図書館で借りて斜め読みしましたが、その中でもたしか夏目漱石から学ぶことがたくさんある、とか書かれていたような…。誠実さがにじみ出ている方ですよね。
日本では洋書はまだまだ高いし、品揃えも少ないですね。先日、家の近くの本屋さんで洋書のワゴンセールをしていたので、子ども用に児童書を10冊以上まとめ買いしました。一応自分用にも、薄くて簡単に読めそうな本をピックして…。(笑)
「ガマくん」の絵本、懐かしい! 家にもたぶん何冊かあると思います。以前はカセットテープがついていましたが、今はCDなんですね。
ごみつさんの本屋さんで売れ筋という本、どれも日本語で読んでも難しそう。@@
投稿: セレンディピティ | 2009年7月10日 (金) 12時04分
古典、要するに長い歳月の重みに耐えた本であり、一過性の流行に押し流されることなく読み継がれた本でもあります。重厚なハードカバーで書棚に飾るのではなく、うすっぺらな文庫本でこそ読んで欲しい本だとも思います。
私はドイツ語やフランス語は駄目(料理は大歓迎!)ですが、英語なら希に挑戦することもあります。カントは未読ですが、デカルトは日本語で読むとつまらないのですが、英語では読みやすく、かつ面白かったです。あの手の哲学本は、案外日本語には合わないのかなと思っています。まあ、私の国語力の程度の問題かもしれませんが。
投稿: ヌマンタ | 2009年7月10日 (金) 17時11分
セレンディピティ さん
今晩は。
そうなんですよ、洋書は店頭で買うとコストがかかりすぎてどうしても高くなってしまうんですよね。
ネットで買った方がず~っと安いので、洋書の小売は本当に厳しい状況です。
それでも、「本は店で見て買わなきゃ良し悪しはわかんないよ」っておしゃる方や、ネット嫌いの人、とにかくすぐ必要!っていう方に支えられているのが現状です。
姜さんは、私昔からけっこう好きなんですよ。女性ファンが多いみたいね。(笑)今、NHKの「日曜美術館」の司会もしてますよね。
「がまくん」カセット付きのも引き続きありますよ。今回は"Frog And Toad Are Friends"を買いました。かわいいですよね!
投稿: ごみつ | 2009年7月10日 (金) 23時47分
ヌマンタ さん
今晩は。
姜さんがおっしゃってたんですが、彼が大学を出て研究をはじめた80年代初頭には、哲学を勉強する人間は「バカ」だと言われたそうです。
私も古典は、文学作品をちょっと読む位で、ほとんど接点がなかったのですが、あれこれと売れ始めてみると、古代哲学もあり、中世期の思想ありで、古典の凄さをまざまざと感じています。
人間の知の集積って凄いですよね。
私は英語でデカルトなんて絶対ムリだ!
本は日本語で読むのが精いっぱいだわ~。
投稿: ごみつ | 2009年7月10日 (金) 23時57分